「製造現場で“勝つ”改善力」
2010年6月15日、デトロイトにて開催の標記セミナーにご参加頂き有難うございました。
去る6月15日(火)シェラトン・デトロイト・ノバイ・ホテル(Sheraton Detroit Novi Hotel)にてデトロイト日本商工会(JBSD)商工部会主催による表記セミナーを開催いたしました。
米国や日本をはじめとする先進工業国では、中国をはじめとする新興国の製造業との間で熾烈なコスト競争が行われており、従来にない新たな視点でのものづくり経営が必要となっています。
そこで、日本や中国で実績を上げてきた考え方と手法を以下のテーマで弊社の平山が講演させていただきました。
第一部では「経営成果に直結する改善の推進」と題して、
(1)経営効果に直結する3つの希少資源(時間・能力・歩留まり)のデータ取りと管理の方法
(2)経営幹部、現場の管理監督者にとって、最もわかりやすく、直接的に効果がある「ベスト・ワースト法」の活用による改善・改革のすすめ方
(3)各社で課題になっている目標設定について、「上位1/3目標設定法」という新手法を実践例を交えて
第二部では、「KPI(重要業績指標)マネジメントの推進」と題して、自動車会社の事例などを交えて、
(1)先手管理で可視化する組織活性化手法としてのKPIマネジメントのあり方と実践例
(2)実践的で使えるKPIの考え方と作り方を開示しました。
経営成果に直結する改善の推進
- ・製造業で最も基本的で、原価計算の元にもなる<稼働率・能率・ロス率>について正しく定義し、データを収集している企業は少ない。
- ・この3つの希少資源データを<機械が作る、人が作る、ひとと機械の連携で作る>という3つのものづくりの形態にあわせてデータを収集分析することが改善の第一歩である。
- ・それらのデータを、平均値で見るのではなく、Best10、Worst10などバラつきに着目した改善の進め方が有効である
- ・現場で発生している事象をバラツキでみることによって、改善の目標値を設定することが出来る。
- ・実際にはBestデータから順番に並べて、上位1/3にあるデータを次の改善の目標値として設定することが有効である。
- ・この「上位1/3目標設定法」は組織の構成員に対して納得性があり且つ、データで説得できるので、日本でも中国でも素直に受け入れられており、米国での活用が有効である。
KPI(重要業績指標)マネジメントの推進
- ・バランススコアカードと使った“ものづくりの戦略展開図”が各社で広く使われているが、KPIについては、十分に吟味され活用されているとはいえない。
- ・大事なことは結果を見るKPIでは無く、プロセスを見て先手を打てるKPIの開発と運用できるか否かである。
- ・アットストリームが様々な企業で取り組んできたKPIの設定方法の内、最も重要な取り組みは、その業務が“うまくいっているか?うまくいっていないか?”を表す指標を選定する活動であった。
- ・それらの活動から生み出されたKPIを使ってマネジメントする方法として、プロセスと結果の両方のKPIをG(Green)、Y(Yellow)、R(Red)で区分する視える化の手法が有効である。
- ・それによって、組織の中で重要な指標が可視化され、組織の中で共有されることによって組織活性化に役立っている。
革新的な取り組みが脅威の生産性を生む
- ・最後に講師は、中国のみならずインドでの体験やスコットランドでの体験をもとに、各社で従来の常識を超えた改善改革の取り組み事例を紹介した。
- ・そして、まだまだ多くの革新的な取り組みの余地があり、具体的な改革への取り組みを促した。
デトロイト日本商工会商工部会主催経営セミナー:「製造現場で“勝つ”改善力」(概要)
【セミナープログラム】
14:00〜 | 「製造現場で“勝つ”改善力」 株式会社アットストリーム 代表取締役 平山 賢二
【内容】 |
【開催概要】
日時・会場 | 2010 年6 月15 日(火)14:00〜 (13:30より受付開始) |
参加費 | 30ドル/人 |
定員 | 80 名(定員になり次第受付終了) |
主催 | |
協力 |
※プラント&モラン(Plante & Moran, PLLC.)、 株式会社アットストリーム |
詳細 | 詳しくは、 |
※プラント&モラン(Plante & Moran, PLLC.)とは
プラント&モラン社は中西部の50 を超える日系企業に会計・税務・コンサルティングサービスを提供している会計監査、税務、経営コンサルティング・サービス会社です。
株式会社アットストリームは、グローバルに活躍するクライアントをサポートするため、プラント&モラン社と業務提携契約を締結しています。
【講師紹介】
- 平山 賢二
- 大手メーカー、住友ビジネスコンサルティング(現:日本総合研究所)、アーサーアンダーセン ビジネスコンサルティングを経て、2001年にアットストリームコンサルティング(株)(現:(株)アットストリーム)を共同設立。代表取締役に就任。主な専門領域は、事業戦略立案/ビジネスモデル変革、経営管理制度改革、SCM革新、KPIマネジメントによる経営改革。
主な著書:『ミッションマネジメント 〜価値創造企業への変革〜』(生産性出版)、『e生産革命』(東洋経済新報社)、『ABCマネジメント』(ダイヤモンド社)、『儲けるものづくり - 生産拠点戦略のワナを見抜け』(工業調査会)、『勝つ現場力- 工場改革プロジェクト4つの新手法』(JIPMソリューション)、『日本のモノづくり 58の論点−持続的繁栄を築く思想』(JIPMソリューション)(共著)、『勝つ改善力 - ベスト・ワースト法で実現する現場改革』(JIPMソリューション)など。